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業務委託契約の解除をコンプライアンスに沿って行うには
契約者管理

著者
Deel Team
最終更新日
31 3月, 2026

ポイント
- 独立請負人を従業員のように解雇することはできませんが、契約書で定められた規約に違反した場合はビジネス関係を終了させることができます。
- 契約解除や通知条項を含めた契約を書面で交わすことは事業を保護し、公正に扱い、請負人との関係を解除する際の法的な争いを回避するために非常に重要です。
- 独立請負人の分類を間違うと法的リスクやペナルティにつながる可能性があります。IRS(米国内国歳入庁)の監視を回避するためにも、役割を明確に定義し、法的ガイドラインを遵守することは重要です。
ギグエコノミーは上昇しています。2023年時点で米国の労働者の36%(英文記事)がギグワーカーです。ギグエコノミーの規模は2023年までに4,550億ドル(約68兆円2,500億円)に達すると予測されており、労働力への影響が拡大していることが伺えます。この変化により、労働者はさらに柔軟に、また自律して仕事ができるようになります。企業側は独立請負人に福利厚生や訓練をする必要がないためコストを削減できます。
とはいえ、関係がうまくいかなかったらどうなるでしょうか。独立請負人(英文記事)を解雇することはできますか?
結論から言えばできません。独立請負人は従業員ではなく(英文記事)自営業者なので、従業員のように解雇することはできません。ただし、契約書を交わしている場合、作業者が契約通りに業務を実行しなければ契約を解除することができます。
このガイドでは、請負人が契約を遵守しない場合にすべきこと、契約に署名していない場合にすべきこと、ビジネス関係を解除する方法について説明します。
問題について早期に書面や口頭で連絡する
請負人のパフォーマンスに懸念点がある場合、まずすべきなのは率直な話し合いです。パフォーマンスが期待値に達していないと伝えることで、契約解除前に請負人が改善する機会を与えることができます。そして、改善されないとしても、関係を良好に保つためにできる限り努力したという証跡を残すことは法的な観点でも最善です。
まずは書面で懸念を伝えます。相手を非難したり、パフォーマンスが低いことの理由を推察したりせずに、期待していることをはっきり伝えてください。パフォーマンスが低いことの理由には一時的なもの(病気など)もあり、簡単な解決策(プロジェクトの納期延長など)で済むものもあります。
DESCはこのようなやり取りにおいてシンプルかつ効果的なフレームワークとなります。
- Describe: 見出された問題について説明する
- Explain: その問題があなたや会社にどう影響しているか説明する
- Specify: 請負人が次回改善できる点を特定する
- Consequence: 対処されない場合の結果を共有する
加えて、フォローアップのミーティングを持つことを検討できます。特に、問題が簡単には解決できない場合です。請負人がパフォーマンスを上げ、成果物のクオリティも上げられるよう、期待されていることを改めてはっきり説明したり、追加の情報やリソースを提供したりする必要があるかもしれません。
契約書の解除条項を確認する
独立請負人はフルタイム従業員の契約を結ばず、社会保障やメディケアなど従業員の福利厚生(英文記事)も受けられません。しかし、事業者は独立請負人との間で、請負人の業務範囲、期待される業務の品質、解除条項、通知条項を明記した書面による合意ができます(また、そうすべきです)。
書面による契約書により、さらにスムーズにできます。契約書には、業務範囲、期待される業務の品質、解除条項、通知条項を明記する必要があります。
さらに詳しくは、独立請負人の契約に関するガイド(英文記事)をご覧ください。
解除条項
解除条項とは、請負人または発注した会社が業務関係を解除できることを定めたガイドラインおよび条件です。契約のはじめに両者が署名する書面の契約書に解除条項を明記する必要があります。
解除条項に記載される一般的な解除理由として以下が挙げられます。
- 連絡が付かなくなる、返信がなくなる
- 質の低い業務(および修正作業を適切に行わない)
- 期限を繰り返し破る
- 秘密保持契約などの契約条件への違反
- 事業に影響を与えるような意図的な不正行為
- 所得税の脱税
通知条項
通知条項は、契約解除の前に双方が何日前に通知すべきかを定めるものです。多くの場合、10日~14日前の通知を求めますが、1か月あるいはそれ以上前に通知するよう定める場合もあります。
業務委託契約に通知条項が含まれている場合、契約解除について書面で独立請負人に通知します。契約書によっては、メールでの通知が求められる場合もあります。
通知条項は、どちらかの側がビジネス関係の解除を決める前に、業務や行動の変更を求める通知を指す場合もあります。例えば、業務の品質が良好でない場合は30日前に通知する旨が契約書に記載されている場合があります。
これらの条項は厳守してください。条項通りにしない場合、契約違反で訴訟を起こされる可能性があります。
例外:犯罪行為の場合は直ちに契約を解除する
請負人が犯罪、または詐欺行為に関わっていることが判明した場合、契約解除の交渉や通知なしに直ちに契約を解除することができます。犯罪行為には、会社の資産、他の請負人、従業員、上司への損害、ハラスメント、その他の違法行為などが含まれます。
請負人に完了した作業の分を支払う
業務関係を解除する場合でも、常にプロフェッショナルかつ公平であってください。会社にとって契約関係が不都合になった場合に契約関係を解除する法的な権利はありますが、請負人が完了したサービスや製品のすべてに対して支払う義務があります。
請負人との関係を解除する際、請負人の仕事に満足しているかどうかに関わらず、請求書を精算することは重要です。成果物を受領した場合は、支払い義務が生じます
請負人との間で支払いについて争いが生じた場合、何らかの措置を講じる前に、法律事務所や法律の専門家に相談するのが最善です。経験豊富な弁護士が、契約の解除や必要な支払いに関する詳細を決定するサポートをしてくれます。
独立請負人への支払いをする最善の方法を説明したDeelのガイドで、選択肢についてご確認ください。
契約がない場合に独立請負人との関係を打ち切る方法
請負人との間で口頭での契約しかない場合、対面またはメールで解除できます。契約条項や通知条項を遵守する必要はありませんが、誠実かつ、かつ公正に対応することが重要です。
誠実な対応には、請負人に業務の品質や納期について是正する機会を与えることが含まれます。会社の法的な保護を最大限高めるため、この仲裁処置を書面に残してください。この通知に、改善するための期限と、請負人が改善しない場合は期限までに契約を解除する旨を含めます。
これらの誠実な措置を講じたり、口頭での契約を解除する理由を請負人に説明したりすることは、法的に義務付けられているわけではありません。しかし、これは良いビジネスの慣行であり、公平さや会社の評判を保つことにつながります。また、法的な争いに発展した場合の法的証拠の確保にも役立ちます。
独立請負人は不当な解除について訴訟を起こせるか
独立請負人は従業員ではないため、不当な契約解除についてクライアントを訴えることはできません。ただし、契約違反を理由に訴訟を起こす権利は独立請負人にあります。
発注会社が契約条項に違反し、契約が解除された場合、請負人は訴訟を起こすことができます。訴訟を起こされないようにするため、請負人から提供されたすべてのサービスへの支払いを行い、解除条項を厳守してください。いずれかを行わない場合、請負人が損害賠償を求める訴訟の根拠となる可能性があります。請負人の業務が満足のいくものでなかったとしてもです。
IRSによれば請負人は会社が自分を誤分類した場合訴訟を起こすことができる
従業員の誤分類とは、従業員の福利厚生や税金の支払いを回避するために、雇用関係を業務委託契約に偽装する(英文記事)ことです。米国内国歳入庁(IRS)(英文ページ)と労働省(DOL)(英文ページ)は労働法を適用し、誤分類された従業員への払い戻しを割り当てます。
独立請負人を誤分類するリスク
IRSは、誤分類がよくあるため、独立請負人との関係に細心の注意を向けています。一部の企業は、意図的に独立請負人を雇用(英文記事)し、彼らを従業員として扱います。これは、請負人は税金や医療費を自己負担しているためです。他の企業は、徐々に従業員のように働くようになる独立請負人(英文記事)を雇用します。
独立請負人には、労災や健康保険を支払ってくれる雇用主がいません。また、固定の勤務時間がないので、最低賃金や残業代を受ける権利もありません。こうした「節減」のために雇用主は従業員の誤分類という方法を取る傾向があり、最終的にはもっと大きな損失を被る危険があります。
請負人との書面の契約があれば誤分類の訴訟から守られるわけではありません。請負人が確実に偽装された従業員でないようにするため、IRSの雇用に関する20の判定要素(英文記事)を必ず確認してください。請負人のステータスを判断するのに役立ちます。この判定は、行動制御や経済的依存という要素を考慮し、業務委託契約ではなく雇用契約にするべきだったかどうかを明らかにします。
雇用法は従業員の誤分類に厳格です。誤分類をした企業は、高額な罰金やペナルティ(英文記事)に加え、従業員への損害賠償を科せられます。スタッフの誤分類リスクを回避する最善の方法は、信頼できる業務委託契約を結び、すべての記録を保管し、使う言葉に気を付けることです。常に、雇用されていることを示唆するような言葉は避けながら請負人と話すように心がけます。
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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、法的アドバイスではありません。具体的な事例や個別の案件については、必ず法的なサポートを求めるようお勧めいたします。


