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雇用形態の誤分類に対する罰則とは:具体例と回避策を徹底解説
法務 & コンプライアンス

著者
Deel Team
最終更新日
14 4月, 2026

主なポイント
- 従業員の誤分類に対する罰則は、企業の規模や、企業が従業員への福利厚生や税金の支払いを回避していた期間など、いくつかの要因によって異なります。
- 罰則には、税法違反に対する罰金、連邦法違反に対する罰金、および評判の失墜などが含まれます。
- 米国労働省(Department of Labor:DOL)が誤分類が意図的なものと判断した場合、罰則は厳格化します。
米国では、雇用主の最大30%が少なくとも1人の従業員を誤って分類している(※リンクは英語のみ)と報告されています。最も一般的な雇用形態の誤分類(※リンクは英語のみ)は、企業が正社員を誤って独立業務受託者として分類する場合です。このような扱いを受けると、その労働者は本来従業員として受けるべき福利厚生を受けられなくなります。
誤分類は、多くの場合は単純なミスですが、従業員への法定福利厚生の提供や給与税(※リンクは英語のみ)の支払いを回避するために企業が意図的に行う違法な偽装請負の場合もあります。誤分類されているかもしれないという疑いがあれば、従業員が米国内歳入庁(Internal Revenue Service:IRS)に報告することができます。IRSは、企業が雇用法に違反したかどうかを判断し、集団訴訟、誤分類された従業員一人当たり数百万ドルの罰金、さらには懲役刑といった罰則を科す可能性があります。
業務受託者と従業員の違いは何ですか?
独立業務受託者と従業員の関係は(※リンクは英語のみ)異なります。業務受託者であれば通常、勤務スケジュールを自分で設定し、自営業税を納めます。一方、従業員であれば通常、会社が定めたスケジュールに従って働き、法定福利厚生を受け、給与から税金が源泉徴収されます。しかし、従業員と独立業務受託者の定義は政府機関によって異なるため、両者の境界線は曖昧になりやすいのが現状です。
連邦政府のDOL、州政府、およびIRSはそれぞれ、労働者の身分を判断するために独自のテストを使用しています(※リンクは英語のみ)。
どのテストを実施すべきか迷っている場合は、当社の誤分類評価ツールをご利用ください。当社は、AIと受賞歴のある労働雇用訴訟に関する研究を組み合わせることで、企業が従業員を90%以上の精度で分類し、偽装請負と見做されるようなコンプライアンスリスクを軽減できるよう支援します。
以上、独立業務受託者の誤分類の基本について説明しました。次に誤分類した場合の罰則と、事業を守る方法について詳しく説明します。
雇用形態の誤分類による3つの罰則
従業員の誤分類に対する罰則は、企業の規模や、雇用給付や税金の支払いを怠った期間など、いくつかの要因によって異なります。また、DOLにより誤分類が偽装請負といった意図的な違法行為と判断した場合、罰則はより厳しくなります。
1. 税法違反に対する罰金
従業員を雇用する場合、その従業員の収入は、契約締結日から、社会保障税やメディケア税を含む連邦保険拠出法(Federal Insurance Contributions Act:FICA)税(※リンクは英語のみ)および所得税の源泉徴収の対象となります。
仮にIRSが監査を実施し、あなたが従業員を雇用関係ではなく独立業務受託者として誤って分類していたことが発覚した場合、あなたは以下の罰則の対象となる可能性があります。
- 誤分類された従業員の賃金の最大3%
- 従業員のために支払わなかったFICA税の100%
- 会社が従業員の賃金から源泉徴収しなかったFICA税(未払い税金とも呼ばれる)の最大40%
- 誤って分類された従業員について提出しなかったW-2税務申告書1枚につき50ドル
2. 連邦法違反に対する罰金
義務的な税金を回避するだけでなく、誤分類は連邦政府による従業員の保護を侵害します。これらの保護は、残業代や州法で定められた最低賃金(公正労働基準法(Fair Labor Standards Act:FLSA)の規則(※リンクは英語のみ)に基づく)の遵守といった雇用上の利益を保証するものです。
DOLは連邦労働法違反に対して非常に厳しい姿勢で対応しています。同省は監査官を雇って、偽装請負を特定し、罰則を科しています。最低限の罰則には未払い賃金の支払いが含まれますが、以下のような刑事罰が科される可能性もあります。
- 誤分類された従業員1人につき最大1,000ドルの罰金
- 最長1年の懲役刑
- 懲罰的損害賠償(および関連する弁護士費用)を求める集団訴訟
- 福利厚生保険の返済(有給休暇、年金制度、労災補償、退職金、失業保険などを含む)
- 過去3年間に処罰の対象となる違法行為がないか、賃金請求を追加監査
- 懲罰的損害賠償や特別損害賠償、および従業員に支払われるべきであると証明されたすべての福利厚生、賃金、経費の支払を求める個別訴訟
州によっては、従業員の誤分類に関して特定の法令が定められている場合があることに注意してください。例えば、カリフォルニア州では、誤分類が故意であった場合、裁判所は民事制裁金を科します。この制裁金は、誤分類された従業員1人あたり1万ドルから2万5千ドルです。わざとではない過失であった場合、制裁金は、誤分類された従業員1人あたり5千ドルから1万5千ドルになります。
詳しくはカリフォルニア州の独立業務受託者に関する法令(※リンクは英語のみ)をご覧ください。
3. 評判の失墜
雇用形態の誤分類が世間の注目を集めると、企業の評判は下がり、既存の従業員の離職を招く恐れがあります。また、健康保険や残業代が支払われなくなることを懸念して、将来性のある業務受託者や求職者が、貴社からの業務委託を受けることを躊躇する要因にもなりかねません。
雇用形態の分類が適正である従業員も、誤分類された同僚を支援するために抗議行動を起こすことがあります。また、特に注目を集める事例においては、従業員は将来の雇用機会を守るため、誤分類に関与した企業との関係を避けたいと考えるかもしれません。
政府が「誤分類」を重視する理由
企業が給与税を納付しない場合、2つの問題が発生します。まず、従業員が本来享受すべき保護と権利が失われます。これを政府は防止しようと努めています。次に、税負担が業務受託者にのしかかり、政府の税収減を招きます。
独立業務受託者として誤分類されている多くの労働者は、自身の納税義務を認識しておらず、期限内に正確に納税しません。ギグエコノミーの拡大に伴い、未納の雇用税は政府にとってますます深刻な問題となっているのです。
米国では、推定で数百万人の労働者が誤分類されているため、数百万ドルもの雇用税が未納となっています。正確な数字を把握するのは難しいのですが、2008年にはニューヨーク州だけで480万ドル以上の(※リンクは英語のみ)失業税が未納となりました。これは政府だけの問題ではありません。税金が未納になると、メディケアや社会保障基金が被害を受け、国内のすべての納税者と経済に影響を与えます。
労働者にも、さまざまな悪影響を与えます。独立業務受託者として分類された労働者には、医療保険、社会保障、残業代、最低賃金、労災保険などの従業員福利厚生を受ける権利がありません。
誤分類とは、労働者がフルタイム雇用におけるすべての義務(指定された時間に勤務することや義務付けられた研修を修了することなど)を履行しているにもかかわらず、法定福利厚生を受けられない立場にある状態のことを指します。
業務受託者を従業員に転換することで、雇用主は罰則を回避し、従業員の満足度を高め、コラボレーションを簡素化できます。その方法については、この記事をご覧ください(※リンクは英語のみ)。
誤分類に対する罰則の実例
DOLは、従業員を誤分類した企業に対し、事業規模の大小を問わず常に罰則を科しています。ここでは、従業員を業務受託者として誤って分類し、罰金や法的措置を受けた企業の最近の事例をいくつかご紹介します。事前にお伝えしておきますが、これはUberだけの問題ではありません。
2016年、マサチューセッツ州の建設会社2社が、400人以上の従業員を意図的に不当に分類した(※リンクは英語のみ)偽装請負の事例。その結果、236万ドルの罰金(残業代と損害賠償)が科せられました。
2021年、Holland Servicesが700人の従業員を誤分類していた(※リンクは英語のみ)事例。DOLによる調査の結果、未払い賃金と損害賠償として約4327万7000ドルを支払う義務を負いました。
2021年、Servant's QuestがFLSAに違反(※リンクは英語のみ)した事例。50人の従業員を誤分類し、未払いとなっていた残業代の賠償として、35万8675ドルを支払う義務を負いました。
2021年、ある建設会社のオーナーが、本来従業員であるべき30人の建設作業員を不当に分類した偽装請負の罪で有罪判決を受けた事例。当局はこの違法行為が脱税を目的とした意図的なものであると判断し、G&R Drywall and Framing(※リンクは英語のみ)のオーナーに、約2年の懲役刑と12か月の執行猶予を言い渡しました。
さらに最近では、2023年にDOLがArise Virtual Solutionsを調査し、同省史上最大規模の従業員の不当分類訴訟を起こした(※リンクは英語のみ)事例があります。現在も係争中のこの訴訟では、顧客センターのサービス業務を外部から請け負った同社が、2万2000人以上の労働者を雇用し業務委託しましたが、業務受託者である労働者に完全な裁量権や業務に関する発言権を与えていなかったと主張されています。
誤分類のリスクを回避するためには
まず、従業員を正しく分類することが、法的制裁や罰金から身を守る最善の方法です。独立請負業者と従業員の違い(※リンクは英語のみ)を理解することから始めましょう。次のステップは、契約書をフリーランス新法などの現地法に合わせて作成し、法律専門家に内容を確認してもらうことです。
Deelを通じて雇用すれば、関連する現地法および判例に基づいて労働者の分類を評価する当社のAI搭載の労働者分類評価(※リンクは英語のみ)を組み合わせて使用できます。
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—Chloe Riesenberg,
人事スペシャリスト
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