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2026年版|個人事業主・フリーランスが確定申告で使える経費19選
法務 & コンプライアンス
契約者管理

著者
Deel Team
最終更新日
14 4月, 2026

主なポイント
- フリーランスや個人事業主は、自宅オフィス費用、広告費、会計費用、通信費、設備の減価償却、交通費、保険料などを経費として控除できる
- 経費管理では「プライベート」と「事業用」を明確にすることが重要。専用の口座やカードを用意すると管理しやすい
- 領収書や請求書、カード明細などの証拠書類は、最低でも3年間は保管しておく必要がある
個人事業主やフリーランスとして働いている場合、経費計上を活用することで税負担を抑えることができます。
経費とは、事業のために発生した支出のうち、課税対象となる所得から差し引くことができる費用のことです。課税対象となる所得が減ることで、結果的に支払う税額も少なくなります。
どの費用を経費として計上できるのかを正しく理解することが、税負担を最適化するうえで重要なポイントになります。
※本記事は主に米国の法令に即した情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。詳細については税理士や会計士などの専門家にご相談ください。
クイック解説:業務委託・フリーランスの税金(米国の場合)
米国では、個人事業主やフリーランスは以下の税金を支払う必要があります。
- 所得税:事業所得に応じて課税
- 自営業税:社会保障税とメディケア税を含む(合計15.3%)
正社員の場合はこれらが給与から自動的に天引きされますが、フリーランスの場合は自分で申告・納付する必要があります。その一方で、事業運営にかかる費用を経費として控除できる点は、大きなメリットといえます。
個人の支出と事業経費の違い
フリーランスの場合、プライベートと仕事の境界が曖昧になりがちなため、「どこまでが経費か」を明確に分けることが重要です。
プライベートな生活費や家族関連の支出は、経費として計上することはできません。管理を簡単にする方法としては、事業用のクレジットカードや銀行口座を分けて使うことが有効です。
また、仕事とプライベートの両方で使用しているものについては、使用割合に応じて按分(あんぶん)して経費計上します。たとえば、スマートフォンを仕事で80%、プライベートで20%使用している場合、通信費の80%を経費として計上できます。
このような按分処理を行う場合は、通話履歴や利用ログなど、業務利用を証明できる記録を残しておくことが重要です。
事業経費の内訳(代表的な項目)
ここから、フリーランスが活用できる代表的な経費を具体的に見ていきます。
1.自宅オフィス費用
フリーランスの多くは自宅で仕事をしています。自宅オフィスの税控除を計算する方法は2つあります。両方の方法で試算し、より控除額が大きくなる方法を選ぶのが基本です。
標準方式:
自宅全体に対するオフィス部分の面積割合を算出し、その割合に応じて控除額を計算します。この方法で申告する場合は、IRS Form 8829(自宅の事業利用に関する費用)を作成し、Schedule Cに添付します。
簡易方式:
自宅オフィスの面積が300平方フィート未満の場合、IRSの簡易計算方法を利用できます。この方法では、個別の費用を詳細に計算する代わりに、オフィス部分1平方フィートあたり5ドルの定額控除を適用します。簡易方式での控除額の上限は、年間1,500ドルです。
自宅オフィス関連の費用は、Schedule Cの30行目に記載します。
自宅の事業利用に基づく控除について詳しくは、IRS Publication 587(2021)「Business Use of Your Home」を参照してください。
2.オフィス関連費用
オフィス用品(Office supplies):
ペン、紙、付箋、その他の文房具など、事業運営に使用するオフィス用品の費用は全額控除できます。
ただし、控除できるのはその年に実際に使用した分のみです(つまり、12月31日にまとめて備品を買いだめしても控除対象にはなりません)。また、製品の製造や発送に使用するオフィス用品については、その費用を売上原価(Cost of Goods Sold)に含める必要があります。
オフィス用品の費用は、スケジュールCの18行目に記載します。
修繕・メンテナンス(Repairs and maintenance):
業務で使用するオフィススペースや設備の軽微な修繕・メンテナンス費用は控除対象となります。ただし、自宅オフィスに関する修繕・メンテナンス費用はここには含めず、別途「自宅オフィス費用」の項目で申告してください。
修繕・メンテナンス費用は、スケジュールCの21行目に記載します。
光熱費(Utilities):
電気、水道、インターネット料金などの通信・光熱費は控除対象となる場合があります。ただし、自宅オフィスに関連する光熱費はここには含めず、「自宅オフィス費用」の項目で申告してください。
光熱費は、スケジュールCの25行目に記載します。
3.広告宣伝費
合理的な範囲のオンラインおよびオフラインの広告費は、100%税控除の対象となります。広告活動には、FacebookやGoogle広告の運用、展示会でのプロモーション、名刺やチラシ、ノベルティグッズなど販促物の制作が含まれます。また、PR会社やフリーランスのサービス利用にかかる費用も控除可能です。なお、政治広告は対象外です。
広告費は、スケジュールCの8行目に記載します。
4.手数料・コミッション
営業やマーケティング目的で非従業員に支払う手数料は、すべて経費として控除できます。これには、営業担当者への報酬や、Amazon・Etsy・eBayなどのマーケットプレイスで発生する販売手数料が含まれます。
なお、1年間で600ドルを超える支払いを受けた場合、クライアントはForm 1099-NECを提出する必要があります。
手数料・コミッションはSchedule Cの10行目に記載します。
5.外注費(契約労働)
デザイナーやWeb開発者など、外部の業務委託者に支払った費用は経費として計上できます。
同様に、年間600ドル以上支払った場合はForm 1099-NECの提出が必要です。
外注費はSchedule Cの11行目に記載します。
6.専門家への支払い(法律・会計・税務)
税理士や弁護士、会計士などの専門家に支払う費用は、経費として控除できます。たとえば、確定申告のサポート費用などが該当します。ただし、個人の税務申告に関する費用は対象外となる場合があります。
これらの費用はSchedule Cの17行目に記載します。
7.通信費(携帯電話)
業務専用の携帯電話がある場合、その費用は全額経費として計上できます。プライベートと兼用している場合は、業務利用分のみ按分して計上します。
通信費はSchedule CのPart V(Other Expenses)に記載します。
8.設備の減価償却
業務に必要な設備(パソコンやプリンターなど)は、時間の経過とともに価値が減少します。
IRSでは、1年以上使用する設備については、減価償却費として計上することが認められています。
減価償却は複雑なため、会計士やCPAへの相談が推奨されます。
Schedule Cの13行目に記載します。
9.出張費・交通費
業務に関連する出張費は経費として計上できます。宿泊費、食費、航空券、UberやLyftなどの移動費が含まれます。出張とは、通常の勤務地を離れて一定期間業務を行うことを指します。海外出張やクルーズの場合には追加ルールがあります。
Schedule Cの24行目に記載します。
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10.接待交際費(食事)
出張中やビジネスの場での食事費は、その50%を経費として控除できます。
たとえば以下が該当します:
- 出張中の食事
- クライアントとのランチ・ディナー
- カンファレンス参加時の食事
- イベントで顧客に提供した食事
11.車両費
業務用に購入した車両は、Section 179を利用することで一括で経費計上できる場合があります。 ただし、プライベートと併用している場合は、実際の使用割合に応じて按分する必要があります。 ガソリン代、走行距離に基づくマイレージ費用、通行料、駐車場代などが対象です。
簡易方式として、2022年は1マイルあたり0.585ドルの標準レートが設定されています。
Schedule Cの9行目に記載します。
12.事業用保険
事業用の保険料は、経費として控除できます。これには、賠償責任保険、盗難保険、火災保険、労災保険などが含まれます。
事業用保険に関する費用は、Schedule Cの15行目に記載します。
13.健康保険
業務委託として働く場合、自身や配偶者、扶養家族の医療保険・歯科保険などの保険料は、経費として控除できる場合があります。ただし、以下に該当する場合は対象外となります。
- 配偶者など、他の雇用主の保険制度に加入できるにもかかわらず利用していない場合
- 自営業であっても、別の雇用先で保険が提供されている場合
控除額の計算には、IRSのWorksheet 6-Aを使用します。
自営業者の健康保険に関する費用は、Schedule 1の17行目に記載します。
14.従業員向け退職金制度の費用
特に中小企業の事業主で、従業員を雇用している場合や、401(k)やSIMPLE-IRAといった企業型の年金制度を導入している場合、その拠出金は経費として控除できます。 なお、自身のSEPやIRAへの拠出は経費としては扱われませんが、Schedule 1に記載することができます。
年金関連の費用は、Schedule Cの19行目に記載します。
15.事業に関する許認可・税金
事業運営に直接関係するライセンス費用や資格取得費用、各種規制に基づく税金は、経費として控除できます。法人設立費用や事業ライセンスも対象です。
また、自営業税の半額については控除することが可能です。まずSchedule SEを作成し、その半額をSchedule 1の15行目に記載します。
これらの費用は、Schedule Cの23行目に記載します。
※以下の税金は経費として控除できません
- 連邦所得税
- 個人的な固定資産税
- 商品・サービスの販売に伴い顧客から受け取る消費税
16.起業・開業費用
課税年度内に新たに事業を開始した場合、最大5,000ドルまでの開業費用を経費として控除できます。 対象には、市場調査費、広告費、事業立ち上げ活動、コンサルティング費用などが含まれます。
開業費用が50,000ドルを超える場合は、その超過分に応じて控除額が減額されます。また、必要に応じて複数年にわたり分割して計上することも可能です。
開業費用は、Schedule CのPart V(Other Expenses)に記載します。
17.利息
住宅ローンの利息や、クレジットカード、設備ローン、信用枠などの利息は経費として控除できます。ただし、支払期限前に前払いした利息については、原則として控除対象外です。
利息費用は、Schedule Cの16行目に記載します。
18.教育・学習費
業務委託として働く場合、スキル向上のための教育・研修は大きなメリットがあります。ウェビナー、ビジネス書、専門誌の購読費などは経費として控除できます。また、学生である場合は、授業料に対して教育税額控除を利用できる可能性もあります。
教育費は、Schedule CのPart V(Other Expenses)に記載します。
19.記録管理の重要性
経費を適切に計上するためには、証拠となる記録を残しておくことが不可欠です。領収書、請求書、クレジットカード明細などは、少なくとも3年間は保管しておきましょう。最近では、クラウド会計ソフトやアプリを使ってデジタル管理する方法も一般的です。
税負担を抑えるその他の方法
経費の計上に加えて、税額控除(タックスクレジット)も活用することで、さらに税負担を軽減できる可能性があります。税額控除は、課税所得ではなく税額そのものを直接減らす仕組みです。たとえば、低所得者向けの控除制度などが該当します。
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