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9 min read

業務委託(フリーランス)と正社員の報酬の違いとは?【保存版】

契約者管理

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著者

Deel Team

最終更新日

14 4月, 2026

Table of Contents

業務委託と正社員の違いとは

業務委託と正社員のメリット比較

業務委託(フリーランス)の報酬の受け取り方

業務委託の税金

業務委託の税率(参考)

業務委託として働く条件に当てはまるか

正社員の給与の仕組み

正社員の税金

手取り額のシミュレーション

どちらを選ぶべきか?

主なポイント

  1. 業務委託は企業に雇用されない働き方で、請求書を発行して報酬を受け取るのが一般的
  2. 正社員は企業の給与体系に組み込まれ、定期的に給与が支払われる
  3. Deelは正社員・EOR雇用・業務委託の支払いをグローバルに一元管理できる

ここ10年で、米国では業務委託という働き方が大きく広がり、2025年には7290万人以上がこの労働形態を選択しています。正社員から業務委託へ移るべきか、あるいはその逆かを検討したことがある人も多いでしょう。

報酬の受け取り方や税金の仕組みなど、両者の違いは一見すると複雑に感じられます。Deelでは、こうしたグローバルな雇用や支払いの課題をシンプルにすることを目指しています。

本記事では、正社員と業務委託の違いを整理し、それぞれの報酬の仕組みや税務上のポイント、そして意思決定の際に考慮すべき点を解説します。給与管理に関するDeelの知見をもとに、自分に合った働き方を選ぶための判断材料を提供します。

業務委託と正社員の違いとは

業務委託(1099コントラクター)とは、特定のプロジェクトや業務に対して契約ベースで仕事を受ける、いわゆる自営業・フリーランスの働き方です。勤務時間や働き方は自分で決めることができ、業務に必要な設備も自ら用意します。健康保険や有給休暇といった福利厚生は通常提供されません。報酬は請求書を通じて支払われます。

一方、正社員(W-2従業員)は企業に雇用され、給与体系に基づいて働く労働者です。勤務時間や業務内容は企業の管理下にあり、給与は定期的に支払われます。企業は所得税や社会保険料を給与から天引きし、従業員はそれに基づいて税務申告を行います。

より詳しく知りたい方は、W-2と1099の違いに関する記事もあわせてご覧ください。

業務委託と正社員のメリット比較

業務委託(フリーランス)のメリット 正社員のメリット
働く時間を自分で決められ、休みも自由に取得できる(承認不要) 勤務時間が固定されており、生活設計がしやすい(育児などと両立しやすい)
案件やクライアントを自分で選べる 健康保険、有給休暇、各種保険、退職金制度などの福利厚生がある
経費として計上できる項目が多く、税務上の調整がしやすい 収入が安定しており、継続的な給与が保証される
会議が少なく、オフィスへの通勤が不要なケースが多い 研修や教育制度、メンター制度などスキル開発の機会が整っている

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業務委託(フリーランス)の報酬の受け取り方

業務委託として働く場合、あなたは「個人事業主」として扱われます。つまり、自分自身が事業者であり、報酬の受け取り方も企業間取引に近く、請求書(インボイス)を使うのが一般的です。

基本的には、請求書を発行して支払いを依頼し、契約で定めた支払い期限内に報酬を受け取る流れになります。以下に、その具体的なプロセスを解説します。

1. 請求書の作成

まず、デジタルまたは紙の請求書を作成します。請求書には以下の情報を記載します。

  • 事業者情報(屋号、住所、事業者番号など)
  • 自身の連絡先
  • クライアントの情報
  • 提供したサービス内容
  • 請求金額
  • 支払い条件(期限など)
  • 支払い方法

※請求書の作成方法については、テンプレートを活用すると効率的です。

2. 請求書の送付

作成した請求書は、メールやオンラインツールを通じてクライアントに送付します。通常は、契約や請求書に記載した支払い期限内に入金されます。

もし期限内に支払いが確認できない場合は、適切な方法でリマインドを行います。

また、一定額を定期的に受け取る契約の場合は、自動支払いシステムを利用する企業もあります。Deel Contractorを使えば、契約・支払い・管理を一元化することも可能です。

3. 支払い方法

業務委託の場合、支払い方法は基本的に自分で設定できます。一般的には以下のような方法が使われます。フリーランス向けの支払い方法の設定についてはフリーランス向けの支払い方法に関するガイドを参照してください。

  • 銀行振込
  • 現金
  • 小切手
  • オンライン決済(PayPalなど)

4. 報酬額の決まり方

業務委託の収入は、働き方や料金設定によって大きく変わります。

  • プロジェクト単位で請求 → 一括でまとまった金額を受け取る
  • 時間単価で請求 → 週ごと・月ごとに分割して受け取る

また重要な点として、受け取る報酬には通常、税金が差し引かれていません。そのため、年末や確定申告時に自分で税務処理を行う必要があります。

業種や地域によっては、消費税の取り扱いも関係してきます。

5. 支払いスケジュール

支払いタイミングは、契約内容によって決まります。たとえば短期プロジェクトの場合、納品時に一括で支払いを受けるケースが一般的です。

プロジェクトの進行に応じて、前払い(デポジット)を設定することもあります。典型的な例としては、契約時に50%、プロジェクト完了時に残り50%が支払われる形です。

また、経理業務などの継続的なサービスを提供する場合は、週次・隔週・月次など、定期的に請求書を発行するケースもあります。

詳しくは、業務委託の支払いプロセスに関するガイドも参考にしてください。

業務委託の税金

業務委託として働く場合、税務対応は正社員よりも複雑になる傾向があります。

業務委託は事業者として扱われるため、所得に応じた所得税に加え、自己で申告・納付する税金(いわゆる自営業税)を支払う必要があります。これは、正社員の給与から天引きされる社会保険料に相当するものです。

また、居住地域によっては、州税や地方税が課される場合もあります(※米国では州によって所得税の有無が異なります)。

フリーランスの税金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

業務委託の税率(参考)

米国では、自営業税は以下の2つで構成されています。

  • 社会保障税:12.4%
  • メディケア税:2.9%

合計で、所得の約15.3%が課税対象となります。

※この数値は米国制度に基づくものであり、日本の税制とは異なります。

控除できる主な経費

正社員と異なり、業務委託ではさまざまな費用を経費として計上できます。主な例は以下の通りです。

  • 自宅関連費用:家賃、通信費、住宅ローン利息、固定資産税など
  • オフィス・事業費:文房具、設備費、修繕費、光熱費など
  • 交通・出張費:移動費、会食費、航空券、駐車場代など
  • 事業投資:広告費、ライセンス費用、保険料など

業務委託の税務について詳しく知りたい場合は、専用のガイドを参照してください。

業務委託として働く条件に当てはまるか

自分が業務委託(フリーランス)に該当するかどうかは、以下の観点で判断できます。

①行動面の裁量

働く時間・場所・方法を自分で決めている場合は、業務委託に該当する可能性が高いです。一方で、勤務時間や業務プロセスを企業が管理している場合は、正社員に近い働き方といえます。

②金銭面の管理

業務委託は、自分で設備やツールを用意し、案件単位で報酬を受け取るのが一般的です。一方、正社員は企業から設備提供や経費補助を受けるケースが多いです。

③契約関係

長期的な雇用関係にあり、福利厚生(保険・有給など)が提供され、専属契約がある場合は、正社員に該当する可能性が高いです。

もし実態が正社員に近いにもかかわらず業務委託として扱われている場合、「誤分類(ミスクラシフィケーション)」に該当する可能性があります。

※このような誤分類は、各国の労働法違反につながる可能性があります。詳細については、従業員の誤分類に関するガイドを参照してください。

正社員の給与の仕組み

正社員として働く場合、報酬の受け取りは業務委託に比べてシンプルで、個別の請求作業は基本的に必要ありません。

1. 支払い設定

入社時のオンボーディングで、給与振込のための銀行口座情報を提出します。企業はその情報をもとに、毎週または毎月の給与を振り込みます。

場合によっては、口座情報確認のための書類提出(無効小切手など)や、銀行口座番号・支店コード・口座種別などの情報提出が求められます。

2. 支払い方法

給与の支払い方法は企業との合意によって異なりますが、一般的には以下のいずれかです。

  • 銀行振込
  • 口座への直接振込(給与振込)
  • 小切手(海外の場合)

3. 給与額の決まり方

給与は、雇用契約において時給または年俸として定められます。また、税金は企業によって給与から天引きされます。

固定給の場合、ボーナスやインセンティブがない限り、毎回同じ金額が支払われます。時給制の場合は、勤務時間に応じて支給額が変動します。

4. 支払いスケジュール

給与は企業が定めた一定のスケジュールで支払われます。一般的には隔週または月次での支払いが多く、給与支給日に給与明細が発行されます。

W-2従業員は給与支給日に、当該支給期間中に得た収入額と源泉徴収された税額が記載された給与明細を受け取ります。

正社員の税金

正社員の場合、税務処理の多くは企業側が行います。給与から所得税や社会保険料などが天引きされるため、業務委託と比べて手続きの負担は少なくなります。

米国では、以下のような税金が給与から控除されます。

  • 連邦所得税
  • 社会保障税(FICA)
  • 州税・地方税
  • 失業保険関連の税

税率(参考)

米国では、給与に関連する主な税率は以下の通りです。

  • 社会保障税:12.4%(企業と従業員で折半)
  • メディケア税:2.9%(企業と従業員で折半)
  • 失業税:一定額まで6%(企業負担)
  • 所得税:収入に応じて変動

※これらは米国制度に基づく参考値であり、日本の制度とは異なります。

正社員の税控除についてはこちらの記事をご参照ください。

控除

正社員は業務委託ほど自由に経費計上はできませんが、以下のような控除があります(米国の場合)。

標準控除(Standard deduction): 2024年の標準控除額は、単身申告者で14,600ドル、夫婦合算申告で29,200ドルとなり、2023年から引き上げられました(IRS)。

項目別控除(Itemized deductions): 医療費および歯科費用、州税および地方税、慈善寄付については、引き続き項目別控除を適用することが可能です。これらのカテゴリーに変更はありません。

401(k)拠出(401(k) contributions): 2024年の拠出限度額は23,000ドルに引き上げられ、50歳以上の人は7,500ドルのキャッチアップ拠出が可能です(IRS)。

IRA拠出(IRA contributions): 従来型およびRoth IRAの拠出限度額は7,000ドルに引き上げられ、50歳以上の場合は8,000ドルとなります。

児童税額控除(Child tax credit): 2024年は、17歳未満の対象となる子ども1人あたり最大2,000ドルの控除が適用され、そのうち1,700ドルが還付可能です。

Form3がDeelを活用して業務委託人材を従業員へ転換した方法

決済企業Form3は、業務委託として働いていた人材を正社員として雇用したいと考えていましたが、各国に現地法人を持っていないことが課題でした。しかし、Deelを活用することで、わずか1年で全体の20%を正社員として雇用することに成功しました。

「Deelのおかげで、本来であれば採用できなかったであろう100人を迎えることができました。また、離職者の減少にもつながりました。従業員としての雇用を提供できなかったために、多くの業務委託人材が離れていっていたのです」 — リアン・スコフィールド(Leanne Schofield)、Form3 人事責任者

Deelのサービスを活用することで、候補者に対して複数の雇用形態の選択肢を提示できるようになり、各地域の候補者に業務委託として働くよう説得する必要がなくなりました。さらに、離職率の低下にもつながりました。

手取り額のシミュレーション

正社員としての転職を検討している場合、実際に手元に残る金額(手取り)を把握することが重要です。

Deelの給与計算ツールを使えば、国・支払い頻度・給与額を入力するだけで、税引後の収入を簡単に確認できます。年収・月収・半月ごとの手取り額などもシミュレーション可能です。

どちらを選ぶべきか?

業務委託と正社員のどちらが適しているかは、単に収入や税金だけでなく、キャリアや働き方の価値観によっても変わります。

どちらの働き方を選ぶ場合でも、支払い管理の効率化は重要です。Deelを活用すれば、業務委託・正社員・EOR雇用すべての支払いを一元管理できます。

企業はワンクリックでグローバルに支払いを行い、給与計算や法令対応といった業務も自動化できます。

私が働いている会社では、リモートワーカーの管理にDeelを利用しています。そのおかげで、さまざまな場所から働くことができています。この地域にはスタートアップがあまり多くないので、好きな場所に住みながら、自然や大切な人たちの近くで働けるのはとてもありがたいです

Alba M.,

(スペイン)Deelユーザー

Deelを利用すれば、企業は業務委託や正社員の採用・管理・支払いを、コンプライアンスを守りながら一元的に行うことができます。

グローバル対応の支払いプラットフォームにより、ワンクリックでチーム全体への支払いが可能になり、給与明細の発行や税務計算、法令対応といった業務も自動化されます。

グローバル給与管理ソリューションの詳細をご確認いただくか、専門スタッフによる30分のデモをご予約ください。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、税務アドバイスではありません。詳細については税理士や会計士などの専門家にご相談ください。

FAQs

はい、異なる役割であれば可能です。たとえば、事務業務では正社員として給与を受け取りつつ、別のフリーランス案件では業務委託として報酬を得るケースです。ただし、それぞれの業務内容が明確に分かれている必要があります。

一般的には、発注元の企業を通じて福利厚生を受けることはできません。業務委託の場合、健康保険などは自分で手配する必要があります(民間保険や公的制度など)。

業務委託の場合、通常クライアントを通じて失業保険や労災保険などの保障を受けることはできません。制度は国や地域によって異なりますが、一般的には正社員に適用されるものであり、業務委託には適用されないケースが多いです。

収入や控除内容によって異なりますが、フリーランスの多くは、受け取った報酬の25〜30%程度を税金として確保しておくことが一般的です。実際の税負担に応じて調整する必要があります。

誤分類の可能性がある場合は、日々の業務内容を整理し、証拠を集めたうえで人事部や管理者に相談しましょう。自身の雇用形態について説明を求め、必要であれば再分類を依頼します。それでも対応されない場合は、公的機関に相談するなどの対応も検討できます。