記事
18 min read
AORとEORの主な違いを解説
雇用主記録
契約者管理

著者
Deel Team
最終更新日
27 4月, 2026

ポイント
- AORはインディペンデント・コントラクターを管理するソリューションで、コンプライアンス、分類、支払いをカバーするのに対し、EORは正社員向けサービスで、給与計算、福利厚生、労働に関する法的なコンプライアンスを扱います。
- 企業は、プロジェクトベースや柔軟なコントラクターの活用にはAORを、法人を持たない地域で正社員を採用する場合にはEORを選択すべきです。
- Deelは、AORとEOR両方のサービスを1つのプラットフォームで提供しており、企業がグローバルにハイブリッド型人材を柔軟に管理できるようサポートします。
グローバルチームの管理には、人材管理を効果的に行うための適切なツールが必要です。コントラクターと正社員の両方を抱える場合は特にその重要性が増します。こうしたニーズに対応する2つのソリューションが、Agent of record(AOR)(英文記事)とEmployer of record(EOR)です。
AORモデルは、コンプライアンス、契約、支払いを処理することで、インディペンデント・コントラクターと契約する企業を支援します。一方、EORモデルは正社員の法的な雇用主としての役割を担い、給与計算、福利厚生、労働法の遵守を管理します。これらのアプローチは、グローバルに展開する企業や、異なる労働規制が適用される複数の地域で事業を行う企業にとって、ますます重要になっています。
Deelは、AORとEORの両方のサービスを単一のプラットフォームで提供しており、企業が国を越えてコントラクターや従業員を管理するためのシンプルな手段を提供します。
AORとEORの主な違い
AORモデルとEORモデルの両方が、企業のグローバル展開や人材管理をサポートしますが、その目的は異なり、対象となる労働者のタイプも異なります。主な違いを以下に詳細にまとめます:
| 内容 | AOR(Agent of Record) | EOR(Employer of Record) |
|---|---|---|
| 主な役割 | インディペンデント・コントラクターとの法的かつコンプライアンスに準拠した契約を主導 | 企業が現地法人を持たない地域において、従業員の法的雇用主として機能 |
| 労働者のタイプ | インディペンデント・コントラクター | 正社員 |
| 主な責任 | - 労働者の分類 - 契約管理 - 支払処理 - コントラクターに関する規制の確実な遵守 |
- 給与計算および税金控除 - 福利厚生の管理 - 労働法の確実な遵守 |
| 法的責任 | 雇用主としての責任を負わない;コンプライアンスへの準拠を促進 | 雇用主として完全な法的責任を負う |
| ユースケース | - プロジェクトベースの人員体制の拡大 - 誤分類のリスク回避 |
- 新規市場への進出 - 労働法が複雑な国における従業員の管理 |
| コンプライアンス対応範囲 | コントラクターの分類および支払いのコンプライアンスに注力 | 給与計算、福利厚生、雇用契約を含む、雇用に関するあらゆる面をカバー |
| 柔軟性 | 短期またはプロジェクトベースの業務に対して高い柔軟性を提供 | 安定性と長期的な雇用ソリューションを提供 |
| 福利厚生の管理 | コントラクターは自身の福利厚生を管理 | EORが法定および付加的な福利厚生(健康保険、年金など)を管理 |
| 利用すべき場合 | - 短期プロジェクトのためにコントラクターを採用 - フリーランスやギグワーカーの管理 - 誤分類のリスクがある地域での事業展開 |
- 法人を持たない地域での従業員採用 - 正社員に関する現地の労働法への対応 |
Deelの無料の労働者分類ガイド(英文記事)をご覧いただき、世界中で雇用形態を判断し、従業員の誤分類を防止するための戦略やツールをご確認ください。
AORの仕組み
Agent of Record(AOR)とは、主要な管理業務やコンプライアンス業務を代行することで、企業がコントラクターを管理するよう支援するサービスです。その責任範囲には、労働者の適切な分類、契約が現地の労働法を遵守していることの確認、支払いの管理などが含まれます。AORは仲介役として機能し、さまざまな地域でコントラクターを活用する際に生じる多くの複雑な業務を引き受けます。
AORの主な機能には以下が含まれます:
- 労働者の適切な分類:コントラクターを従業員として誤って分類(英文記事)したり、その逆を行ったりすると、法的な争い、未払い賃金の支払い、罰金、ペナルティなどにつながる可能性があります。AORは、業務の性質、契約内容、現地の労働規制を確認し、各労働者が正確に分類されるようにします。これにより、誤分類に起因する監査や法的問題のリスクを軽減します。
- 契約とコンプライアンスの管理:AORは、すべてのコントラクターとの契約書を作成・審査し、地域の法的基準を満たしていることを確認します。これらの契約には、機密保持(英文記事)、知的財産権(英文記事)、秘密保持に関する条項などが含まれます。これにより、法的問題や規制当局からの監査を受けるリスクを低減できます。
- オンボーディングプロセスのサポート:インディペンデント・コントラクターのオンボーディングでは、個人情報、銀行口座情報、納税者番号など特定の書類を収集する必要があります。AORは、これらの情報が正確かつ法令に準拠していることを確認する責任を負います。コントラクターの資格や信頼性を確認するために、身元調査(英文記事)や身元照会を行うAORサービスもあります。
- 支払いの管理:さまざまな地域にまたがるコントラクターへの支払いを処理するには、通貨や請求書の管理を正確に行う必要があります。AORは支払いを自動化することでこのプロセスを効率化し、コントラクターへの支払いを正確かつ期日通りに行うようにします。
Deelを利用したコントラクターのオンボーディングのスムーズさには感銘を受けました。24時間以内にコントラクターの移行を完了させ、業務に全く支障が生じませんでした
—Carolyn Choo氏,
人事担当副社長、ShopBack社
DeelのAORサービスはDeel Contractorと呼ばれています。Contractorは通常のAORモデルと同じ原則で機能しますが、この用語は、コントラクターと協働するための構造化され、コンプライアンスに準拠した枠組みを提供するというDeelの役割を強調しています。
Contractorでは、DeelはコントラクターのAgency of Record(AOR)として機能します。この役割において、Deelはコントラクターの雇用主となり、すべての管理業務を代行します。これには、契約の管理、確実にコンプライアンスに準拠した採用、給与計算の処理、コントラクターをクライアントに再派遣することが含まれます。 Deelはすべてのリスクを負い、確実に現地の労働法を遵守するようにし、誤分類のリスクを軽減します。このモデルは、企業に大きな柔軟性を提供し、コントラクターの管理に伴う業務の負担を軽減します。
参照:Deelの従業員分類ツールで雇用形態を判断する方法(英文記事)
EORの仕組み
Employer of Record(EOR)とは、企業が自社法人を持たない地域において、その企業の正社員に対して法的な雇用主としての役割を果たすサービスです。EORがこの役割を担うことで、企業は新たな国で従業員を採用しつつ、現地の労働法、税制、雇用基準への準拠を確保することができます。
EORは、雇用主に法的に求められる以下の責任などを代行します:
- 給与計算および税金控除:EORは、地域の税制や報告要件を遵守し、給与の正確な計算と期日通りの支払いを管理します。また、社会保障、所得税、その他の義務的な拠出金の控除を処理し、法令をすべて遵守できるようにします。
- 福利厚生の管理:EORは、年金、医療保険、有給休暇などの法定福利厚生を提供(英文記事)するとともに、現地市場の期待に合わせた任意の追加福利厚生も提供します。
- 労働法の遵守:法令に準拠した雇用契約書の作成から現地の職場慣行に従うことに至るまで、EORは法的紛争やペナルティのリスクを最小限に抑えます。これには、地域の法律に従った契約の終了、解雇予告期間、退職金の管理などが含まれます。
EORは、特に次のような状況で価値を発揮します:
- 新規市場への進出:新たな国に進出する企業(英文記事)にとって、現地法人の設立には数か月を要し、多額の資金投資が必要となるほか、現地の法律に対する十分な理解が求められます。EORは従業員の法的雇用主として機能することでこの障壁を取り除き、迅速な採用を可能にします。
- 複雑な労働規制下での事業運営:雇用法は地域によって大きく異なり、通知期間、福利厚生、残業規定、契約終了の手続きなどに関する要件も複雑です。EORは現地の最新の規制を常に把握し、企業が法的な枠組みの中で事業を運営できるようサポートすることで、こうした課題を簡素化します。
- 分散型チームの管理:リモートワークやグローバル採用が一般的になるにつれ、企業は複数の拠点にまたがって従業員を管理する必要性が高まっています。EORは、給与計算、福利厚生の管理、コンプライアンスを一元化し、現地でのサポートを提供することで、このニーズを支援します。
Deelが良いと思った理由は、現地法人を持たない国での採用という課題を解決できる点です。遅れず、優秀な候補者を逃さないことは極めて重要です
—Carl Hartmann氏,
共同創業者、Lyre's社
DeelのグローバルEORサービスは、これらの雇用主としての責任を引き受けることで、正社員を採用する企業を150か国以上でサポートします。Deelを利用すれば、企業は成長に注力でき、EORが給与計算、福利厚生、労働法をコンプライアンスに沿って確実に行い、グローバル展開の取り組みを効率化します。
参照:EORを活用して世界中で優れた従業員体験を提供する(英文記事)
Deel Employer of Record
AORとEORに関する4つのよくある誤解
AORおよびEORサービスに関する誤解は危険で、時には高額な法的トラブルを招き、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。両サービスの普及は進んでいるものの、多くの組織では依然としてAORとEORの役割の違いが理解されていません。以下では、企業が適切な判断を下せるよう、最もよくある誤解について解説します。
1. EORを利用すれば雇用主の責任がすべて免除される:
一部の企業は、EORを利用すれば従業員に対する義務が一切なくなると考えています。しかし、EORが雇用に関する法的・管理上の側面を処理する一方で、従業員の日常業務、パフォーマンス、業務割り当ての管理は依然として企業が担います。業務運営の管理権限や職場慣行に対する責任は引き続き、企業にあります。
2. EORサービスは国際的な採用にのみ必要だ:
多くの人が、EORは海外で従業員を採用する場合にのみ必要だと考えています。確かに、現地法人を設立せずに海外展開を行う際にEORは有用ですが、国内でもメリットがある場合があります。これは、複雑な州法を遵守する必要がある場合や、特定の地域に法的な拠点を有していない場合に主に当てはまります。
3. AOR利用時のコンプライアンス要件を過小評価する:
AORを利用すれば、コントラクターに関するすべての法的責任が免除されるという誤解があります。AORはコンプライアンスを支援しますが、コントラクターの分類が適切であること、および契約条件がすべての法的基準を満たしていることを企業は確認する必要があります。この分野での管理不備は、重大な法的・金銭的損失を招く可能性があります。
4. EORを利用すると従業員への管理権限が制限される:
一部の企業は、EORを利用することで従業員の業務の管理や意思決定に関する権限が弱まると考えています。実際には、EORが雇用に関する法的・管理上の側面を扱う一方、企業には引き続き、従業員の日常業務、パフォーマンス管理、業務割り当てをすべて管理する権限があります。EORは、企業が運営上チームをどのように管理するかには干渉しません。
さらに詳しく Deelの詳細な記事EORに関する8つの誤解(英文記事)をご覧ください
Deelのプラットフォームは、当社のブラジル進出において画期的な存在でした。EORのおかげで、大幅な成長と採用の成功を実現できました
—Tom Brady氏,
コマーシャル部門 戦略的リソース関連責任者、Entain社
Global Hiring Impact
AORとEORをどのように選ぶか
AORとEORのどちらを選ぶかは、管理する人材のタイプ、コンプライアンス要件、成長目標などによって異なります。AORは、インディペンデント・コントラクターと協働する際に最適で、分類、契約、支払いに重点を置きます。一方、EORは正社員の採用を目的としており、給与計算、福利厚生、労働法の遵守を請け負います。
以下の表では、一般的なシナリオ、各ケースでの検討事項、推奨されるソリューションについて詳しく解説しています。自社の人材戦略にAORとEORのどちらが適しているかを判断するためのガイドとして活用してください。
| 内容 | シナリオ | 検討事項 | 推奨されるソリューション |
|---|---|---|---|
| 人材構成 | 海外市場での正社員の採用 | 新しい市場において、労働法を遵守し、福利厚生を提供し、給与計算を行うためには、現地法人が必要です。 | EOR |
| 人材構成 | インディペンデント・コントラクターの活用 | コントラクターの活用には通常、分類、法令に準拠した契約、福利厚生の提供を必要としない簡素な支払いプロセスが求められます。 | AOR |
| 法務およびコンプライアンスの要件 | 誤分類のリスクへの懸念 | コントラクターを従業員と誤分類すると、法的紛争、未払い賃金の支払い、罰金などにつながる可能性があります。 | AOR |
| 法務およびコンプライアンスの要件 | 給与計算、源泉徴収、福利厚生の管理 | 正社員の採用には、現地の法律に準拠した法定福利厚生、税務コンプライアンス、正確な給与計算が必要です。 | EOR |
| 成長戦略 | 従業員を伴ったグローバル展開 | 現地法人を設立せずに正社員を採用したい場合、法人設立には多額の費用と時間がかかります。 | EOR |
| 成長戦略 | 柔軟でプロジェクトベースの人材拡大 | インディペンデント・コントラクターは、短期プロジェクトや特定の専門職において柔軟性を提供しますが、法令に準拠したオンボーディングが必要です。 | AOR |
ロイズリストインテリジェンスがDeelを使って新市場に拡大
ロイズリストインテリジェンスは、複数の地域でチームを拡大し管理する際に、いくつかの課題に直面しました。各国にはそれぞれの給与規則や税務要件があり、それらに対応するための組織設立が複雑であることを感じていました。
EORのおかげで、ロイズリストインテリジェンスの給与管理が非常に簡単になり、時間、コスト、資源を節約しながら、新しい市場へのコンプライアンスを守った拡大を可能にしました。
AORでもEORでも、Deelならすべて対応
Deelは、グローバルな人材管理のためのオールインワンプラットフォームで、EORとAOR両方のニーズに対応する包括的なソリューションを提供します。新たな国で正社員を採用する場合も、インディペンデント・コントラクターを起用する場合も、Deelはプロセスのあらゆる段階を簡素化し、企業がコンプライアンスを遵守し、リスクを低減し、成長に注力するサポートをします。
正社員向けには、DeelのEORサービスが以下を提供します:
- 150か国以上における現地での給与計算、税務コンプライアンス、福利厚生管理
- 地域の事情に合わせてカスタマイズされた福利厚生パッケージ
- 現地の人事・法務専門家による専門的なサポート
コントラクター向けには、DeelのAOR(Contractor)サービスが以下を行います:
- 誤分類のリスクを排除する分類
- 完全にローカライズされ、法令に準拠した契約書
- 120以上の通貨での自動支払い
Deelは、正社員にはEOR、コントラクターにはAOR、あるいは両方を組み合わせて、人材に関する自社のニーズに合わせてご利用いただけます。採用に関する目標がどのようなものでも、Deelはコンプライアンスを遵守しながらグローバルに事業を拡大するためのツールを提供します。
Deelについてさらに詳しく知っていただくために、今すぐデモをお申込みください。


















